進化する上海都市交通

 中国WTOへの加盟を控え、世界が注目する経済都市上海だが、経済発展に伴い大気汚染や水質汚濁等都市環境の悪化が目立つようになった。上海市はここ数年、環境問題の対策に本腰を入れており、内循環線より内側に立地する工場の郊外への移転などにより、これらの問題は徐々に解決されてきている。市内を流れる蘇州河は悪臭を放つ川として周辺住民から苦情が多く寄せられていたが、最近では浄化が進み、周辺では河川と共存することをテーマとした街づくりが進められている。
またナンバー取得料が引き下げられたことにより個人所有の自動車が急増している上海市では交通渋滞も大きな社会問題となっている。高架道路の建設も自動車の増加に追い付かない状況である。
そこで注目されているのが地下鉄をはじめとする都市交通だ。現在上海では地下鉄一、二号線および中国初の高架鉄道である明珠線が開通し、市民の重要な移動手段となっている。数年前までは農地だった上海周辺地域では、市内への地下鉄通勤が可能となったことからベッドタウンとして急速に発展してきている。今後も上海市は都市交通の建設を積極的に進めることにしており、地下鉄は十一号線、また高架鉄道も七路線が現在計画されている。最近のニュースとして注目されているのは、浦東国際空港と市内の移動手段としてドイツ製のリニアモーターカーを導入する契約が結ばれたことだ。現在はアクセスが悪く不評をかっているが、完成すれば時速四百キロで空港と地下鉄龍東路駅までの三十五キロメートルを十分弱で結ぶことになる。開業予定は2003年。待ち遠い限りである。
中国では国が土地を所有しているため、建設に要する時間が非常に短い。今回のリニアモーターカーについても建設開始から三年で営業運転に入る計画だ。「上海を半年見なければ違う都市になっている」と言われるゆえんである。上海はこれらの都市基盤を背景に、より一層経済発展を加速させることになるだろう。十年後の上海は一体どのような都市に変貌しているのだろうか。

写真説明「中国初の高架鉄道明珠線」

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