「上海のマンション事情」

 上海人にとって一昔前の三種の神器と言えば、カラーテレビ、冷蔵庫、洗濯機という感じでしたが、一人当たりのGDPが四千ドルを越えた現在では、マンション、自家用車、海外旅行という感じになっています。
これまで上海の居住環境はお世辞にもいいとは言えませんでした。租界時代に建設された古い建物に数家族が同居しているのも珍しくなかったのです。ここ数年、銀行の住宅ローンが整備されたり、会社が住居を分配する制度が取り消されたりしたため、個人でマンションを購入する市民が急増しました。昨年上海市で個人が購入したマンションは十五万戸に達しました。
最近では市内にマンションを購入することがステータスシンボルになっていて、結婚の条件にマンションの購入を挙げる親も多いといいます。現地の新聞広告はほとんどがマンションの宣伝で埋め尽くされており、市民の関心の高さを示した形です。
こちらのマンションは内装していない状態で受け渡され、その後数ヶ月かけて購入者自らが設計し、資材を購入し、内装を行わなければなりません。内装中は夫婦が交代で施工の監督をするなど非常に労力がかかりますが、手作りの内装には愛着が湧くようで、内装が終わったばかりの友人の家に遊びに行くと、内装の際に工夫したポイントをたっぷりと聞かされることになります。 
個人を重んじる国民性のためか内装には個性的なものが多く、画一的なマンションが多い日本とは対照的です。ただし施工には問題が多く、水漏れやガス漏れで隣人同士の訴訟に発展するケースも多いようです。
今上海のマンションに注目しているのは上海人だけではありません。中国のWTO加盟や上海でのAPEC開催を控え、値段が手ごろで値上がりが期待される上海のマンションを投機目的で購入しようという外国人が増え、週末には華僑を中心とした外国人によるマンション投資ツアーが上海を訪れています。今後十年は二桁に近い成長が見込まれる上海のマンション購入熱はもうしばらく続きそうです。

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