オリンピック誘致成功がもたらす経済効果

 中国が国を挙げて招致活動を続けてきた二〇〇八年オリンピックの開催都市が北京に決定した。日ごろ愛国心が薄いと評されることの多い中国人だが、この日ばかりは国民の多くがモスクワで開催されたIOCの総会をテレビの生中継で見守った。北京の中華世紀壇に集まった市民に、開催都市が北京に決定したというニュースが伝わると「北京が勝った」「祖国万歳」という声が湧き起こった。壇上に登場した江沢民総書記は「オリンピック誘致に中国全国民が貢献してくれたことに感謝する」と述べたが、感動のためか目には光る物があった。中国は十月の上海でのAPEC開催、十一月のWTO加盟など、二十一世紀の大国になるための地位固めを着々と進めており、今回のオリンピック誘致成功は中国が大国へ脱皮するための起爆剤となろう。北京市政府はオリンピック開催に向けて都市開発の計画を発表した。今後五年間で九百万㎡の住宅の建て替えを行うのをはじめ、一千八百億元(約二兆七千億円)の予算をインフラ整備に投入し、地下鉄や高架鉄道を現在の二路線から七路線に増やす他、四百キロメートルの高速道路と、三百キロメートルの都市道路の建設を行うことにしている。都市の居住環境改善も図り、二〇〇八年の汚水処理率を先進国並みの九十%以上にする目標だ。また情報分野では二五〇億元(約3千8百億円)を投入し、北京市の通信網、長距離電話網、移動通信の充実を図ることにしている。一部の競技は北京以外の都市でも開催される予定で、上海など技会場となる各都市でも、オリンピックに関連する都市整備が行われる計画だ。中国の経済専門家は、今回のオリンピック特需によりスポーツ、旅行、不動産、建築、通信、商業などの分野で好景気をもたらし、二〇〇二年から二〇〇八年にかけてGDPを毎年0・3%押し上げるだろうと予測している。WTO加盟後の市場開放や、今回のオリンピック特需など、県内企業にとっても中国ビジネスを進めるうえで追い風になることは間違いない。当事務所でも県内企業を積極的にバックアップしていきたい。

写真説明「オリンピック誘致を祝うために北京の天安門に来た子供たち。江西省から二十時間以上かけて列車でやってきた。」

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