中国進出県内企業の動向~中国進出県内企業アンケート結果から~

 現在上海では外国企業の進出ラッシュが続いている。福井県の企業も二十社程度が上海市もしくは近郊に拠点を構えており、今年も数社が上海に進出する予定である。私は経済発展著しい上海で、この四年間一貫して県内企業の販路開拓など、中国とのビジネスの支援に携わってきたが、最近、県内企業の中国に対する見方が大きく変化したと感じている。中国進出県内企業十一社を対象にアンケート調査を行ったところ、進出を決めた理由として、最も多くの企業が挙げたのは「生産拠点を中国に移転し安価な人件費を活用して製品を安く製造する」というものだった。政府の指導もあり、ほとんどの製品が輸出され、中国に貴重な外貨をもたらした。ただ最近では、中国で製造した製品を自由に国内市場に販売できるようになり、中国進出県内企業も国内販売網の構築を重視するようになってきている。回答企業の約半数が今後強化したい業務内容として、「国内販売網の構築」を一番に挙げている。中国進出県内企業は、中国を単なる生産拠点ではなく、巨大な市場として魅力を感じ始めている。最近当事務所には中国に拠点を持たない県内企業から「直接中国市場に売り込みたいがどうしたらいいか」という問い合わせが急増しており、今後もこの流れは続きそうである。日本から自社製品を中国市場に投入する場合、相手企業が輸入権を持っていれば直接販売が可能だが、持たない場合は①商社を利用する。②現地代理店を使う。③自社で上海外高橋保税区に貿易会社を作る等の方法があるが、どれも一長一短があるため事前に十分な調査が必要である。また商習慣の違いから、売掛金の回収に絡んだトラブルが多いようである。アンケート結果でも、多くの企業がこの苦労していると回答している。中国ビジネスを成功させるには、事前の調査をじっくり行い、積極的かつ慎重に中国国内販売網の構築を進めていただきたい。ある企業の総経理が実感を込めて「何事においても時間が必要」と述べていたのが印象的だった。

今後強化する業務内容

(質問内容:複数選択可)

国内販売網の構築 
製品の高級化 
安価な製品の製造 
日本への輸出拡大   
世界市場への輸出拡大   
新分野進出

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